平成27年からの相続税
平成27年からの相続税


 平成27年以後の相続から相続税は大増税となっていますが、平成27年相続開始の相続税の申告期限が11月から始まっています。
 
 平成26年から相続、贈与の相談が増加していましたが、平成27年になって、
「相続税の申告をしてほしい。」、「税金がかかるか一度計算をしてほしい。」、「贈与をどのようにしていったらいいか。」、「会社の株式をどうしよう。」

などの相談や申告の依頼が急増しています。
よく分からないことがありましたら、なんなりとご相談ください。



 平成27年1月からの相続税は、次のとおりとなっております。
 
(1) 内容

  平成27年1月1日以後に相続又は遺贈(相続等)により取得する遺産に係る相続税については、次のとおりとなります。

@ 基礎控除額の引下げ

  基礎控除額を超える遺産を相続等により取得した場合には、相続税を申告する必要が生じます。この基礎控除額が次のとおりとなります。

  (参考)

  [ 平成27年1月1日〜  ]
  3,000万円 + ( 600万円 × 法定相続人の数 )


  [ 〜 平成26年12月31日 ]
  5,000万円 + ( 1,000万円 × 法定相続人の数 )

  たとえば、相続人(法定相続人)が配偶者と子2人であった場合、これまで遺産額(相続税の課税価格)が8,000万円を超えなければ相続税は生じなかったのですが、平成27年1月1日以後は4,800万円を超えると生じることになります。

A 最高税率の引上げ

  最高税率が次のとおりとなります。

各法定相続人の取得金額

税率の(%)

改正前

改正後

 1,000万円以下

10

 1,000万円超   3,000万円以下

15

 3,000万円超   5,000万円以下

20

 5,000万円超   1億円以下

30

 1億円超      2億円以下

40

 2億円超      3億円以下

40

45

 3億円超      6億円以下

50

 6億円超     

50

55


B 未成年者控除、障害者控除の引上げ

  未成年者控除額、障害者控除額が、それぞれ次のとおりとなります。

 ・ 未成年者控除額
   20歳までの1年につき、控除額が10万円となります。

 ・ 障害者控除額
   85歳までの1年につき、控除額が10万円、特別障害者は20万円となります。

C 小規模宅地等の特例対象面積の引上げ

  被相続人又は被相続人と生計が一緒であった親族が住んでいた土地等について、評価額を8割
 減額できる面積が240uから330uに拡大されます。  


(2) いくらの遺産でいくらの相続税

  遺産額がどれだけで相続人が何人いる場合に、どのくらいの相続税がかかるのかは、次の早見表を参考にして下さい。
  相続人の中に配偶者がいる場合には、『配偶者の税額軽減』という優遇された税額控除制度を適用できます。適用できる場合は、配偶者の取得した財産が、法定相続分相当額か1億6,000万円以下であれば、配偶者に対する相続税は0になります。そのため、配偶者の税額軽減制度を最大限活用した場合には、相続税が大きく減ります。ただし、その分配偶者に遺産が移動することになるため、場合によっては次の相続の際に多額の相続税が発生することもあります。

(参考) 平成25年度税制改正の影響

  ・ 相続人が配偶者と子2人のケース

 基礎控除前の
  相続財産額

  27年1月1日以後

  
   26年12月31日
   まで
     


 増加額

5千万円

10万円

0円

10万円

7千万円

113万円

0円

113万円

1億円

315万円

100万円

 215万円

1億5千万円

748万円

463万円

285万円

2億円

1,350万円

950万円

400万円

2億5千万円

1,985万円

1,575万円

410万円

3億円

2,860万円

2,300万円

560万円

5億円

6,555万円

5,850万円

705万円

10億円

1億7,810万円

1億6,650万円

1,160万円

 
(注) 配偶者は法定相続分である2分の1を相続したものとして配偶者控除額を計算しています。






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